吃音症(どもり)ってなぁに?子どもへの接し方と対処法

「子どもがことばの初めの音を繰り返すようになった」「どう対応すればいいかわからない」「私の育て方に問題があったのではないか?」と悩み言語聴覚士に相談にこられる親御さんがいらっしゃいます。

吃音の発症率は20人いたら1人程度といわれており、ほとんどが幼児期に発症します。この記事では、子どもの吃音症とはどういうものなのか、お子さまが今どういう状況にあるのか、また、親としてどう対応すればいいのか、わかりやすく説明したいと思います。

もくじ

吃音症には3つの症状があります

連発ぼ、ぼ、ぼ、ぼく・・・
伸発ぼーーーく
難発・・・・・っぼく(息がつまって苦しい感じ)

これらの症状は、2~4歳に発生することがほとんどです。

連発、伸発の段階では、本人は吃音だという自覚はなく困っていません。

難発の段階までいくと話しにくいことを自覚し、膝をたたくといった随伴症状が見られることがあります。

うちの子、難発の状態なのですがどう接したらいいですか?

お子さまの「お話したい」という気持ちを大切に、ゆったりした雰囲気の中で話を聞いてあげるといいでしょう。また、しっかり聞いているということを伝えるために、お子さまが話された部分を復唱し、ここまでわかったよとサインを出してあげるとお子さまも話をすすめやすくなるでしょう。

話すこと自体が辛そうなのですが…

ことばを発することだけがコミュニケーションではないので、お子さまが話すことが辛いと感じている場合は、大きな模造紙にクレヨンで絵を描いて表現する楽しさを教えてあげるのもいいかもしれません。

吃音は治りますか?

7割ぐらいのお子さまが自然回復するといわれています。難発に随伴症状を伴ったお子さまの回復も、2歳の時に1度目の吃音、4歳の時に2度目の吃音になったお子さまの回復も、その他様々に経験しておりますので、大人は気にしすぎず、「どんなあなたも素敵だよ」という気持ちで接し、回復するのを待つのが一番です。

知ってほしい7つのポイント

  1. 子どもの吃音の多くは軽い連発から始まる
  2. 症状が良くなったり悪くなったり波がある
  3. 7割ぐらいの子どもが自然回復する
  4. 吃音になる男女比では男児の方が多く、自然回復するのは女児の方が多い
  5. 吃音の家族歴がある子どもは回復する確率が下がる
  6. 小学生になるまでに治ることが多い
  7. 保護者の育て方が原因で吃音になることはない

親ができる対処法

幼児期は家族が吃音のある子どもへの接し方を理解することが大切です。子どもは吃音があっても親に話したいことがいっぱいあり話しかけているので、その時に子どもの話を聞かず、話し方のアドバイスをすることはやめた方がいいでしょう。話したい気持ちを受けとめながら話し終わるまでゆったりした気持ちで待ってあげてください。大人になったら自分が吃音であったことは忘れますが、話を中断されたことや、≪やってはいけない対応≫をされたことは覚えていると言われています。

やってはいけない対応

  • ゆっくり話すよう促す
  • 言い直しをさせる
  • ことばの先取り 
  • 落ち着くよう深呼吸をさせる
  • 吃音が出たとき心配そうな顔をしてしまう
  • 吃音をからかう

やってほしい対応

  • 子どもが話し終わるまでゆっくり待つ
  • 子どもの話し方ではなく話す内容に注目する
  • 絵本が読みにくそうなときは一緒に読んであげる
  • 子どもから吃音の話がでたら話しやすい雰囲気を作り聞いてあげる

『吃音を意識させないように』というアドバイスを受けられた方もいるかもしれませんが、うまく話せないことを子ども自身が訴えてきた場合は気持ちに寄り添い避けることなく聞いてあげてください。子どもの訴えをなかったことにするのは得策ではありません。なぜなら、子どもが吃音を質問してはいけない悪いことだと思ってしまうからです。『意識させない』というのは、『吃音を悪いものだと意識させない』ということだと認識していただければ対処しやすいと思います。

さいごに

幼児期の吃音は、子どもへの接し方を知り、環境を整え、回復を待つということが基本の姿勢になります。それでもまだ吃音が回復せず、悪化するようでしたら、専門家に繋がる必要があるかもしれません。また、友だちからのからかいへの対応など先生に協力をお願いするときなども専門家から話があったほうがいいかもしれません。その場合はまず市の発達相談や言語聴覚士のいる施設、保健センター、かかりつけの病院などに相談されるとよいでしょう。

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