人と関わろうとする姿が見られないASDのお子さんへの対応において、やりとりを楽しむことを目標に遊びを設定しても、お子さん自身が本当に楽しんでいるのかどうか、ということは判断がつかないことが多いです。心のなかは、その子にしかわからないことです。そうはいっても、人と関わることなく生活していくという選択がお子さんにとっていいこととは思えないので、他者とのやりとりができるようにSTとして介入していきます。そのときに気をつけていることがあります。
『少なくとも便利かどうか』
他者とやりとりするためのサインが便利なものだとお子さんが感じてくれたら自分から接点をもってくれるようになります。サイン一つで行動をとめられることがなくなり、パニックも減ります。お子さんの生活が少し便利になって、私も私のことを意識してもらえてうれしい。もちろん他のスタッフにもサインが般化できるようSTとして話しにいきますので、お子さんの世界は少しずつ広がっていきます。
少なくともお子さんにとって便利かどうか、まずはそこから。
このカテゴリーでの記事は、一人の専門士として、そして、一人の親として、心のなかにあるものをポツリポツリとつぶやいています。過去を振り返ってみて、あの方法でよかったと思うこともあれば、もっといいやり方があったかもしれないとやるせない気持ちを抱えているものもあります。そのような出来事を分析した個人の考えを書いています。